同じ空間表現である日中古典園林と西洋美術の文脈によるインスタレーションについて、文献調査や園林の現地調査、作家インタビュー、作品制作発表を通して研究した。その中で園林は切り取られた空間の中で、時間と空間が渾然一体化し、森羅万象の些細な変化に自身の情感を見出す内側に向けた表現であることに対し、インスタレーションは切り取られた時間の中で、仮設性やハプニングを含みながら眼前の出来事や社会システムを問う等、外に向けて発信する表現である見解を得た上で、東洋的インスタレーションの視座を獲得した。その成果は東洋的インスタレーションだからできる、総合芸術として建築を含む環境の在り方を探求する可能性を開いた。
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