研究課題
基盤研究(C)
本研究は、日本の近代を中心に、美術作品および複製メディアといった視覚文化における〈黒人〉の人種表象を実証的に調査・考察するものである。日本の〈黒人〉表象においては、現実の接触の少なさから、「膚の色」という視覚的な情報による身体の差異化が重視される。それはおうおうにして、誇張やステレオタイプと結びつく、虚構にしか存在しない〈黒人〉像を作る。各時期における〈黒人〉表象の様相は、日本近代において人々が肌の色の違いにこめた人種観・文明観・世界観の変容をものがたり、共有された他者へのまなざしを示す。
日本近代美術史 視覚文化論 表象文化論