研究課題/領域番号 |
26370186
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
高木 繁光 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (00288606)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ドキュメンタリー映画 / ネストラー / トーメ / ストローブ / 映画と記憶 |
研究実績の概要 |
マルグリット・デュラスの映画の編集者であったドミニック・オーヴレイ氏を招聘し、デュラス作品における編集の特徴、土地の記憶との結びつき、頻出する河と海のイメージの機能、ナレーションと映像の繋ぎによって生み出される固有の音楽性などについてインタヴューを行なった。 ストックホルム在住のドキュメンタリー映画作家ペーター・ネストラー氏を訪問し、60年代のミュンヘン・グループの活動、ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレとの交流、土地をテーマとした作品の特徴、ナレーションと映像の繋ぎによって生み出される固有の音楽性、現在構想中の作品などについてインタヴューを行なった。また、ベルリンの映画テレビ博物館にて、ネストラーに関する文献収集を行なった。 ネストラー作品でカメラマンを務めたライナー・コメルス氏が来日したのを機にインタヴューを行い、戦後ドイツのドキュメンタリー映画の状況、ネストラーとの映画撮影のエピソード、土地をめぐる自身のドキュメンタリー作品の特徴などについて知識供与を受けた。 ドイツのルドルフ・トーメ監督を招聘し、60年代のミュンヘン・グループの活動、ネストラー、ストローブ/ユイレ、ファスビンダーとの交流、ドキュメンタリーとフィクションとの境界、人生と映画の結びつきなどについてインタヴューを行なった。 トーメ作品における時間とユートピアの関係性をテーマに現在、論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りペーター・ネストラー監督、ルドルフ・トーメ監督へのインタヴューを行い、入手困難な映像や資料の提供を受けたことは本研究課題にとって極めて重要であった。両監督、またネストラー作品のカメラマンのライナー・コメルス氏、さらにデュラス映画の編集者オーヴレイ氏と良好な関係を築けたことは、今後の研究の進展にとっておおいにプラスとなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、トーメ監督、ネストラー監督と交友関係にありながら、戦後ドイツのドキュメンタリー映画において独自の実験的作品を制作しているクラウス・ウィボニーを招聘し、土地と記憶をめぐる映画のあり方についてインタヴューをする予定である。 その上で3年間の総括を行い、デュラス、ルソー、ネストラー、トーメ、ウィボニーの諸作品を、「土地の記憶」をめぐる映画の歴史の中に位置づけ、その特徴と現代的意義明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費が想定よりやや少なくすんだため。
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次年度使用額の使用計画 |
主にドイツからクラウス・ウィボニー監督を招聘する費用として使用する予定である。
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