研究課題/領域番号 |
26370200
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
武井 和人 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80154962)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高松宮本 / 宮内庁書陵部 / 図書寮文庫 / 一人三臣和歌 / 歌会 / 室町和歌 / 釈文 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、以下の調査・研究を行った。 (1)国立歴史民俗博物館蔵高松宮本の歌会資料の釈文・略解題作成。(2)宮内庁書陵部図書寮文庫蔵歌会資料の紙焼入手。(3)宮内庁書陵部図書寮文庫蔵歌会資料の先行的書誌調査。(4)架蔵歌会資料の調査・研究。 (1)では、平成24年度から進めてきている未刊歌会資料の釈文・略解題作成を、継続して行ったものであるが、平成26年度を以てほぼ未刊歌会資料の調査・研究及び成果公開は完了した。なお、高松宮本『一人三臣和歌』はやや大部の資料であるが、未刊であり、また、この時期における重要な歌会資料であることを鑑み、当初の予定にはなかったが、釈文・略解題を作成して、勤務先の紀要に發表した。 次に(2)(3)に記載した通り、歌会資料を多数所蔵する宮内庁書陵部図書寮文庫蔵歌会資料に調査・研究対象を移し、目録等によってあらあら歌会資料を検討し、歌会資料の紙焼を可能な限り網羅的に入手し、試行的調査を経て、当面釈文・略解題を作成すべき書目を選定した。あわせて、平成27年度の研究成果公開を実現するために、数点の歌会資料の書誌調査を行った。釈文作成は、平成26年度後半より進めており、研究成果は、平成27年度上半期に公開できる見込みである。また、作業量の増大を鑑み、連携研究者4名に参加頂くこととなり、既に、書誌調査、釈文作成で共同作業を行ってきたところである。 (4)では、たまたま入手することが出来た歌会資料二点を比較的詳細に検討して、対照させつつ釈文を作成し、研究成果を公開することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)歌会資料調査・紙焼等入手に関しては、宮内庁書陵部図書寮文庫蔵本を中心に行い、補完的に、前田育徳会尊経閣文庫蔵本・架蔵本等を調査・撮影した。当初の予定にあった東山御文庫蔵本等は、平成27年度に持ち越しとなった。 (2)釈文・略解題作成、公刊に関しては、活字論文4本を公開することが出来、概ね目的が達成された。特に、『一人三臣和歌』の釈文に関しては、当初の予定になかったもので、平成26年度の研究成果として、特筆すべきものと考える。 (3)歌会資料のデータ化に関しては、所在・訓み等、研究協力者の参加を得て、作業に着手した。平成27年度も継続して行う。
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今後の研究の推進方策 |
(1)調査を始めていない古典籍所蔵機関の歌会資料に関しても、可能な限り、調査を開始する。既に、前田育徳会尊経閣文庫蔵資料の書目選定を進めている。また、早急に、東山御文庫蔵歌会資料の書目選定も行いたい。 (2)平成27年度は、宮内庁書陵部図書寮文庫蔵歌会資料の釈文・略解題作成を喫緊の課題として進めており、上半期に、7点の釈文・略解題を公刊すべく、作業中である。 (3)既に公刊した歌会資料は、「古典ライブラリ」において公開すべく、フォーマットの統一、訓み入力等、本年度も進めて行く予定である。
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