研究課題/領域番号 |
26370206
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
大橋 直義 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (50636420)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 巡礼記 / 参詣記 / 縁起 / 巡礼 / 参詣 / 私撰国史 |
研究実績の概要 |
大和・紀伊両国に関わる巡礼記・参詣記とその関連資料の博捜および分析という観点について、今年度は下記の三点において実績をあげた。 第一には代表者が執筆した研究論文、あるいは編者となった論集の刊行である。『中世寺社の空間・テクスト・技芸─「寺社圏」のパースペクティヴ』(大橋直義・藤巻和宏・高橋悠介共編、勉誠出版、2014年6月、272頁)においては2編の研究論文を寄稿し、本研究課題と直結するテーマについて論じた。また、別稿「『扶桑略記』陽成天皇紀の方法─〈不戦の軍記〉と漢文伝記と」(大橋直義・単著、岩波書店『文学』16巻2号、2015年3月)においては、寺社縁起と私撰国史との接点という本研究課題における重要な着眼点にたいする一つの解として、漢文伝記と縁起集との関連を見出した。 第二には研究資源の発見と整備についての成果をあげることができる。申請時における二箇寺の調査のみならず、今年度は他の二箇寺の調査をより積極的に開始した。 第三には、公的図書館等において公開される関連資料の分析調査である。この点に関しては、当初予定に比してやや遅れが生じているとも思われるが、2015年度はより精力的に調査分析に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記「概要」においても言及したように、研究論文の公開および寺院調査の進展という観点については当初の目論見以上に進展していると言いうるが、公立図書館・特殊文庫等に蔵される既知の典籍類についての調査研究は調査日数の確保という観点から、十全に進行しているとは言い難い。しかしながら、日々公開数が増加しているウェブ上での画像情報を精査することにより、基礎的データの蓄積という観点では、順調に進行していると思われる。したがって、当該研究計画はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
巡礼記・参詣記と縁起集等々の他テクストの関連性につき、研究計画に沿って、円滑な調査研究を行う。具体的には、これまでの調査研究(寺院内経蔵調査と予備調査のさらなる蓄積)をさらに進捗させ、それを公開する水準まで高めることによって、着実に推進させてゆきたい。
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