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2016 年度 実績報告書

大和・紀伊における巡礼空間とその資料についての文献学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26370206
研究機関和歌山大学

研究代表者

大橋 直義  和歌山大学, 教育学部, 准教授 (50636420)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード巡礼記 / 参詣 / 縁起 / 伝記
研究実績の概要

大和・紀伊両国に関わる巡礼記・参詣記とその関連資料の博捜および分析という観点について、本年度は下記の3点を主たる業績とすることができる。
第1には道成寺とそこに蔵される典籍・文書類の調査および研究に関わるものである。本研究計画の途中より、道成寺経蔵資料の調査・研究を中心軸のひとつに据えてきたが、その成果を学術論文の刊行によるのみならず、代表者が在籍する和歌山大学の紀州経済史文化史研究所(博物館相当施設)における特別展「道成寺の縁起―伝承と実像―」(2016年11月8日~12月16日)を開催し、図録(論文付)を制作・刊行した。本研究計画が終了した後にも調査・研究は継続しており、今後、さらなる成果が見込まれる。
第2に、大和・紀伊に関連する巡礼記・参詣記および寺社縁起に関する調査研究についての成果である。悉皆調査は実現できていないが、粉河寺・施福寺・興国寺・長保寺に所蔵される文献についての基礎調査の進展である。特に粉河寺に関しては、これまで学界からまったく注目されていなかった東京大学史料編纂所蔵『粉河寺旧記』(既に紹介されるものとは異なるもの)に謄写される縁起および説話集を紹介する口頭発表を行えたことは特に意義深い(研究期間終了後の資料紹介を予定)。また、それ以外の三箇寺についても研究期間終了後にいたるまで調査を継続している。
第3に、院政期における寺伝・僧伝を考える上で不可欠な私撰国史(殊に扶桑略記)の伝本調査と分析研究を行なえた点にある。これらには、現在では散逸してしまっている巡礼記・参詣記も引用され、その点においても本研究と深く関わるが、研究機関内に公刊した学術論文で言及した巻二十(陽成天皇紀)は高野山に伝来した伝本と関わり、高野山上における伝記類の扱いを考える上でも意味が大きいと思われる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 伝記への執心―『扶桑略記』の歴史叙述、一隅2017

    • 著者名/発表者名
      大橋直義
    • 雑誌名

      共同研究・歴史叙述と文学編『研究成果報告 歴史叙述と文学』(国文学研究資料館)

      巻: 1 ページ: 印刷中

  • [学会発表] 花山院長親(耕雲明魏)と紀州地域の寺社縁起―霊巌寺縁起・衣奈八幡宮縁起をめぐって2016

    • 著者名/発表者名
      大橋直義
    • 学会等名
      和歌山大学紀州経済史文化史研究所2016年度公開シンポジウム「紀州地域の寺社縁起」
    • 発表場所
      キャンパスイノベーションセンター東京
    • 年月日
      2016-11-26 – 2016-11-26
  • [学会発表] 粉河寺縁起にみる聖地の形成と展開―「童男行者」をめぐって2016

    • 著者名/発表者名
      大橋直義
    • 学会等名
      紀州地域学共同研究会第3回研究集会公開シンポジウム「信仰空間・聖地の創出」パネリスト兼司会
    • 発表場所
      和歌山県立博物館
    • 年月日
      2016-08-28 – 2016-08-28
  • [学会発表] 法華寺縁起考2016

    • 著者名/発表者名
      大橋直義
    • 学会等名
      関西軍記物語研究会
    • 発表場所
      大谷大学
    • 年月日
      2016-04-17 – 2016-04-17
  • [図書] 『わかやまを学ぶ―紀州地域学 初歩の初歩』(担当論文:「道成寺建立縁起」考)2017

    • 著者名/発表者名
      東悦子・藤田和史編(分担執筆:大橋直義)
    • 総ページ数
      183(29~38)
    • 出版者
      清文堂出版
  • [図書] 『根来と延慶本―紀州地域の寺院空間と書物・言説』2017

    • 著者名/発表者名
      大橋直義編
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      勉誠出版
  • [図書] 『2016年度特別展 道成寺の縁起 伝承と実像』(担当箇所:第2章,目録・資料篇)2016

    • 著者名/発表者名
      紀州経済史文化史研究所編(分担執筆:大橋直義)
    • 総ページ数
      40(13~20,28~39)
    • 出版者
      紀州経済史文化史研究所

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公開日: 2018-01-16  

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