研究課題/領域番号 |
26370207
|
研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
二本松 康宏 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (90515925)
|
研究分担者 |
永松 敦 宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (30382451)
二本松 泰子 長野県短期大学, その他部局等, 准教授 (30449532)
中澤 克昭 上智大学, 文学部, 准教授 (70332020)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 日本文学(中世) / 日本史学(中世) / 民俗学 / 伝承文学 / 諏訪信仰 / 御射山 / 諏訪縁起 / 諏訪氏と大祝 |
研究実績の概要 |
研究代表者(二本松康宏)と共同研究者(永松敦、中澤克昭、二本松泰子)を中心とする「中世前期諏訪信仰研究会」の定例会を開催した。その概要は以下のとおりである。第7回例会/2016年6月26日(日)/上智大学/研究発表「仙台藩の鷹匠と諏訪伝承」二本松泰子。第8回例会/2016年9月11日(日)~13日(月)/宮崎・鹿児島地域における諏訪信仰と「諏訪縁起」をめぐるフィールドワーク。第9回例会/2017年3月25日(土)/上智大学/研究発表「大祝信重解状をめぐって」二本松泰子。 研究会を通じて本課題のテーマの一つである『諏訪上社物忌令』『大祝信重解状』『陬波私注』『陬波御記文』の精読を進めてきた。その結果、従来は鎌倉時代とされていた『諏訪上社物忌令』と『大祝信重解状』の成立が南北朝時代~室町時代にくだることがおよそ明らかとなった。また『諏訪大明神絵詞』が信州の諏訪大祝家に伝わる伝承・信仰というよりも、新興の京都諏訪氏による独自圏的な成立であることも見えてきた。 また在地の諏訪信仰から中世的な信仰の様相を検証するために、諏訪大社上社(諏訪市・茅野市)、神長官守矢史料館(茅野市)、御射山(長野県原村)、松原諏方神社(長野県小海町)、南方神社縁起(鹿児島県湧水町)、都城市歴史資料館(都城市)などでの実地調査を実施した。そうした調査と検証により、従来は鎌倉時代に遡るとされてきた諏訪信仰の地方展開が南北朝時代~室町時代にくだることもおよそ明らかとなりつつある。 こうした結果に対応するため、「中世前期諏訪信仰研究会」は「中世後期諏訪信仰研究会」として発展的に改組し、南北朝時代~室町時代における諏訪信仰の生成について研究を進めてゆくこととなった。 なお、「中世前期諏訪信仰研究会」としての3年間の研究成果を公表するために、二本松康宏を編者とする論集『諏訪信仰の歴史と伝承』の刊行を予定している。
|