鎌倉後期、藤原盛徳が編んだ、3000 人あまりの勅撰歌人の伝記を身分階層別に収める、勅撰作者部類の伝本調査と諸本の比較、本文批判の結果、宮内庁書陵部蔵御所本(後西天皇宸筆外題)を底本として翻刻、数本で校合して、現時点で信頼の置ける本文を復原した。 さらに江戸前期に榊原忠次の手で勅撰作者部類を後補する形で成立した、続作者部類についても編者自らが修訂してかつ最善本である国立歴史民俗博物館蔵高松宮家伝来禁裏本の全文を翻刻した。以上の研究成果は2017年5月刊の著書『中世和歌史の研究 撰歌と歌人社会』に収録されて刊行、そこでは勅撰歌人索引をも併せて編纂し、利用の便宜を図った。
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