本研究は「徐福東渡伝承」をめぐって、東アジア各地域に残る徐福伝承の成立と伝播・受容を中心に考察した。主な研究成果としては、徐福が渡来したという熊野の新宮・済州島などについて、日本と韓国の関連資料を比較研究し、中国の泰山・岱廟・霊厳寺などのフィールド調査を行なった。また徐福が韓国・済州島に上陸した記念として正房瀑布に「徐市過此」という句を刻んだ徐福刻字の由来をめぐって考察した。さらに、山梨県富士吉田市には『宮下古文書』が遺っており、徐福と関連する明美湖の徐福像・徐福雨乞地蔵祠などを調査した。これらの研究成果は、国内外の学会・研究会に参加して発表し、学術論文を日本語と韓国語で執筆して公表した。
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