研究課題/領域番号 |
26370216
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
飯塚 恵理人 椙山女学園大学, 文化情報学部, 教授 (00232132)
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研究分担者 |
三木 邦弘 椙山女学園大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80174001)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 東海地域 / 能楽 / 尾張藩 / レコード / 個人資料 / デジタル化 / 戦前 / 翻刻 |
研究実績の概要 |
・平成25・26年に東海地域で行われた能番組を収集・整理した。25年度分については委託費を用いて入力したが26年分はまだ集まらない番組が多いためさらに収集してから入力することとした。 ・和泉流狂言方佐藤友彦氏所蔵の江戸初期成立の九冊本間狂言のうち第四冊を翻刻し、椙山女学園大学論集に掲載した。また大倉流大鼓方大倉三忠師(尾張藩御役者大鼓方大倉七左衛門家後裔)所蔵の尾張藩関係の七左衛門家書簡を整理し、藩主の代替りの祝儀能に関する部分を一部翻刻した。(現在報告原稿作成中) ・愛知県中津川市の素封家岩田豊治氏旧蔵の戦前中津川宝生会の記録の提供を頂いたので、戦前の中津川宝生会が東京の宝生宗家重英を招いて昭和12年に中津町役場で行った素謡会に関する記録をまとめ「東海能楽研究会年報」に掲載した。 ・椙山女学園大学の卒業生から研究室に寄贈された謡曲関連の戦前SPレコードを整理して、著作権の消滅した50枚ほどの音源を研究室ホームページより配信した。中津川在の謡曲愛好者より、昭和40年代・50年代の能楽LPレコード30枚ほどの寄贈も受け、整理して現在デジタル化の作業中だが、これらは著作権が残るため、椙山女学園大学と神戸女子大学古典芸能センターにファイル入りのハードディスクを置き、そこで聴く形にしたいと考えている。 ・岐阜市在住の幸清流小鼓方後藤孝一郎先生に後藤先生が名古屋の幸清流小鼓方田鍋惣太郎に師事された戦争直後から昭和30年前後の名古屋能楽界に関する聞き書きを行った。この結果については名古屋芸能文化会の会誌に投稿したいと考え、現在原稿を準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年の能楽番組のうち名古屋能楽堂、豊田市能楽堂での催しについてはほぼ集めることが出来たものの、東海地域各地の薪能や町おこしイベントに関連する能狂言の番組について収集漏れが多かったのが残念だった。担当者の異動等の把握が遅れて提供を申し出ることが出来なかったことが大きく、この反省を踏まえて今年は昨年度・今年度の両方の番組をできるだけ遺漏ないように集め、今年度末までに入力を完成させたい。大倉家・佐藤家など能楽諸師所蔵の個人資料の収集・整理と後藤孝一郎師など古老の聞き書きはほぼ予定通りに進捗している。謡曲関連SPレコード・蓄音機レコード等の収集・整理とデジタル化は、レコードデジタル化を担当してくれたアルバイトの退職の為少し遅れが出ており、今後飯塚自身がデジタル化を担当するよう体制を改めるべく方策を立てたい。
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今後の研究の推進方策 |
愛知県中津川市の素封家岩田家旧蔵の戦前から昭和30年代の能楽資料の提供を頂いたので、その整理と活用を27年度の予定課題に加えて行いたい。蓄音機レコード等音源のデジタル化を担当して下さったアルバイトの方が退職したため、レコードのデジタル化は今年度は飯塚が担当して進めることにしたい。また東海地域の能楽界を支えた能楽諸師の高齢化が進んでいることから、戦前・戦後の東海地域能楽界を知る後藤孝一郎師などの聞書きをさらに進めて行きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の能楽番組収集の漏れが多く、入力に委託費を使用できなかったことが理由として大きい。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26・27年の東海地域で行われた能番組を重点的に収集・整理して、委託費を用いて入力する。
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備考 |
デジタル化した音源で著作権の消滅したものについては「恵理人の小屋」から配信している。業績目録は「飯塚恵理人業績目録」に掲載している。
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