本研究は、後水尾院品宮常子内親王自筆の日記『无上法院殿御日記』三十六冊(公益財団法人陽明文庫蔵)を主たる研究対象とした。はじめに、原本の書誌情報と内容確認、および資料判読をおこなった。あわせて、後水尾院品宮常子内親王の伝記的事項を整理した。つぎに、後水尾院品宮常子内親王の周辺でおこなわれた公家による文芸的活動を確認した。さらに、後水尾院品宮常子内親王の属する近衞家全体の文事を考察した。研究期間全体を通じて、未翻刻資料である『无上法院殿御日記』を研究資料として広範囲で活用できる研究環境を整えることができた。
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