研究課題/領域番号 |
26370234
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
小野 恭靖 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50194600)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 流行歌謡 / 瓦版 / おもちゃ絵 / 木版画 / 教化 / 葛飾北斎 / 安藤広重 / 白隠慧鶴 |
研究実績の概要 |
今年度も前年度に引き続き、瓦版やおもちゃ絵版画を中心とした文献資料の閲覧・調査を研究の柱に据えて実施した。調査を行った機関は江戸東京博物館、山種美術館、たばこと塩の博物館、静岡市東海道広重美術館、沼津市立図書館である。 江戸東京博物館では特別な便宜をお計らいいただき、「三芝居役者給金附、三ヶ津遊女直段附、手満理歌出世双六」「とっちりとん判じ絵」「流行葉唄尾張じんく」「大新板江戸いろ里町中大はやり十二月歌この浦舩」「川上新作おっぺけぺー歌入双六」などの貴重な錦絵資料の原本を閲覧することができた。その結果、研究課題である江戸から明治初期にかけての時代に摺られた版画資料の中の歌謡詞章から、近世歌謡史を考察する資料を収集することができ、たいへん有意義であった。山種美術館、たばこと塩の博物館、静岡市東海道広重美術館では葛飾北斎や安藤広重をはじめとする江戸浮世絵師の多くの作品を展観し、研究課題と密接にかかわる江戸期浮世絵版画と画賛について多くの知見を得ることができた。また、ちょうどおもちゃ絵の特別展が行われており、本研究の課題であるおもちゃ絵の中の流行歌謡にかかわる資料も数多く目にすることができた。 また、沼津市立図書館では郷土の偉人である白隠慧鶴の図書コーナーの書籍を手に取って閲覧させていただき、白隠が創作した教化歌謡の詞章について考察するきっかけとすることができ、これも課題遂行のために有意義であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料の閲覧および調査の対象として予定している機関のうち、これまでに東京都、大阪府、京都府、兵庫県、石川県に所在する機関については、ほぼ調査を終えることができた。また、静岡県の機関も1館を除いて閲覧・調査が終了した。これらは当初予定の9割を超えているものの、当初から閲覧・調査を予定していた機関のうち、静岡県立図書館、上田市立図書館が未実施である。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間は残り1年であるため、当初予定していながら現時点で閲覧・調査機関が済んでいない機関での調査を今年度中に行いたい。その際、当初の予定を再検討することも併せて考える。また、最終年度であることを踏まえ、一定の成果のまとめも考えていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度である次年度に未調査の機関への出張を行うため、また資料の収集を行うため、今年度予算の一部を残して繰り越すことにした。
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次年度使用額の使用計画 |
静岡県と長野県の未調査の機関への出張を行うとともに、瓦版やおもちゃ絵版画の資料収集を行いたい。
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