日本による植民地統治期の朝鮮半島では、主に朝鮮に移り住んだ日本人によって俳句の作句活動が盛んであった。当時、在朝鮮日本人によって俳句は朝鮮俳句と呼ばれた。本研究は、朝鮮俳句の俳壇形成を分析し、朝鮮俳句の展開を実証的に位置づけることを目的としている。朝鮮俳句は1910年代に本格的な俳壇形成が始まる。そして、1920年代から1930年代にかけて、朝鮮俳壇では朝鮮俳句とは何かをめぐる議論が巻き起こっている。そのなかで、日本語で俳句を作る朝鮮俳人も登場している。本研究では、このような朝鮮俳句の展開を第二次世界大戦後も含めて明らかにしている。
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