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2015 年度 実施状況報告書

転換期における浮世草子作者と江戸・上方出版界の動向に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26370242
研究機関京都府立大学

研究代表者

藤原 英城  京都府立大学, 文学部, 教授 (20264749)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード西村本 / 青木鷺水 / 初音物語 / 浮世草子 / 西村市郎右衛門
研究実績の概要

新出の浮世草子『初音物語』(宝永四年八月、鷺水序、江戸万屋清兵衛・京西村市郎右衛門刊)は、西村本とされる『浅草拾遺物語』(貞享三年正月、洛下旅館序、板元未詳刊)の改題改竄本と称すべきものであるが、序文を初め新たに追補された本文もあり、それら新補部分の作者また本書全般の編纂者として序者鷺水が想定できる。
浮世草子作者としての鷺水の活動を考える際、デビュー以来の板元菱屋治兵衛に替わる『新玉櫛笥』(宝永六年八月、京中川茂兵衛・西村市郎右衛門刊)の刊行を契機として、前後に二分する見解が示されていた。しかし、『初音物語』の出現によって菱屋との決別の書と見なされてきた宝永五年正月刊『古今堪忍記』(江戸出雲寺四郎兵衛・京西村市郎右衛門刊)の刊行以前に西村との交渉が確認できたことは、鷺水と菱屋・西村をめぐる板元の交代劇に新たな視点をもたらすことになる。
『初音物語』は西村市郎右衛門の「西村本」強化・リニューアル化、換言すれば新生「西村本」の嚆矢となる作品であり、「其磧・一風競争期」と称される宝永期の浮世草子界にあって、一風に繋がる反八文字屋勢力の一角として、鷺水・西村が団水と連携した動きを示したことを推測させるのである。

「鷺水の新出浮世草子『初音物語』(巻一・四)-翻刻と解題-」(『京都府立大学学術報告 人文』67号、2015年12月)
https://kpu.repo.nii.ac.jp/

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究・調査の進展により、論文を公刊することができた。

今後の研究の推進方策

研究計画に基づき、西村市郎右衛門・源六の出版活動を明らめるべく、関連資料の収集を継続するとともに、最終年度に向けて研究成果のまとめに着手する。

次年度使用額が生じた理由

当初計画していた書誌調査に係る旅費が未消化になってしまった。

次年度使用額の使用計画

未実施の訪書調査を集中的に行うとともに、関連資料の収集を継続し、最終年度に向けての研究成果のまとめと報告書の作業に着手する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 鷺水の新出浮世草子『初音物語』(巻一・四)-翻刻と解題ー2015

    • 著者名/発表者名
      藤原英城
    • 雑誌名

      京都府立大学学術報告 人文

      巻: 67 ページ: 一-一八

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [備考] 京都府立大学学術機関リポジトリ

    • URL

      https://kpu.repo.nii.ac.jp/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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