2016 年5 月3 日(火)に、トゥールーズ・ジャン・ジョレス大学研究棟D31号室において、これまで2年間の成果をふまえ、国際シンポジウム「雑誌『若草』―1920 年代から1940 年代までの文学と文化―」を開催した。日仏の研究者の発表に、ディスカッサントとしてクリスティヌ・レヴィ氏を交え、討議を行った。内容の概要は以下の通りである。太田知美氏、小平麻衣子「雑誌『若草』と1920 年代から1940 年代までの日本の雑誌界の紹介」、徳永夏子氏「初期『若草』と女性の書き手」、サンドラ・シャール氏「『若草』におけるモダンガール」、吉田司雄氏「教養としての映画」、ブリジット・ルフェーブル氏「1930 年代の野上弥生子」、島村輝氏「太平洋戦争開戦という「時局」」、ジェラルド・プルー氏「『若草』におけるエキゾティズム」、井原あや氏「復刊後の「若草」」。『若草』についての個別の事例だけではなく、日仏の雑誌の比較などに話題が及び、研究者の交流も深まった。 定期研究会としては、2016年7月16日(土)14:00~18:00に(慶應義塾大学三田キャンパス南校舎442教室)、土田俊和氏と大川内夏樹氏の2名の研究発表、2016年9月17日(土)14:00~18:00に(慶應義塾大学三田キャンパス南館5階会議室)、清松大氏、滝口明祥氏の2名の研究発表を行った。表紙絵の竹久夢二について、〈青年〉表象、戦中のマンガ表象、井伏鱒二作品についてなどの発表がなされ、『若草』の多様性について検討し、一定の成果を上げた。 目次データの整備については、引き続き行い、また、成果としての論集の発行に向けて、準備を行った。
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