研究課題
基盤研究(C)
元禄期の西鶴の俳諧における付合の手法を解析し、宗因風と元禄俳諧とを接続する西鶴の創作意識・方法について考察した。西鶴の町人物浮世草子の特徴を明確化したうえで、後続の浮世草子がそれを踏襲しつつ作者独自の工夫や趣向を加えていく一方、次第に類型化していく商人像の特徴を具体的に示した。中世から近世にかけての古典注釈学をふまえたうえで、それを享受した西鶴作を中心とする近世の諸作品を新たに読み解き、それらの従来の解釈を改め、文学史に位置づけた。
日本近世文学