舟橋聖一の「戦後期資料」を基に、彼がとった戦後の大衆化路線の仕事とその歴史的意義を、関係する知識人や政治経済芸能との関係を踏まえながら究明し、最終的には先の戦前期研究成果(JSPS 科研費JP:24652055)と連動させ、舟橋とその時代の文学を総合的に解明した。1000通にもおよぶ著名人からの書簡類や、NHK大河ドラマの第一作目となった舟橋原作『花の生涯』関連資料を整理することにより、戦後アメリカの占領期が、日本人および日本社会に想像以上に大きな影響を及ぼし、舟橋が歴史小説を書く要因となっていたことも解った。
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