メアリ・ウルストンクラフト(Mary Wollstonecraft, 1759-97)の評論、紀行文、書評、書簡などに多く見られる「ピクチャレスク」(picturesque)という言葉は当時広く用いられ、ピクチャレスク(絵になる)な風景を求めることは社会現象になっていた。本研究は、ウルストンクラフトがこの用語を用いた文脈を集め、そこに込められた含意を探り出すことによって、自然美の発見と受容の時代において彼女が果たした役割を解明し、それが彼女の進歩史観や女性解放の理念にどのような影響を与えたのかを探った。
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