研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中英語の『霊的な恩寵の書』は権威ある翻訳神秘主義文学として受容された。12世紀の教会改革に連動して大陸で開花した女性神秘家の啓示文学が、教会大分裂で衰弱した西洋ラテン世界の西端に位置するイギリスにおいて、再生した。中世末の教会改革における教会典礼の重要性に鑑みると、典礼を通して涵養されたヘルフタ修道院の神秘的霊性は、15世紀のイギリスで時宜を得て吸収されたと言える。本研究で扱ったMS Bodley 220 は、The Boke of Gostely Grace, edited from Oxford, MS Bodley 220,Liverpool UP, 2020 として刊行される。
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