18世紀後半から始まったピクチャレスクの流行は観光や庭園などに大きな影響を与えたが、建築とくにコテージなどの小規模建築やその集合体である村も例外ではなかった。最初は庭園の装飾でしかなかったコテージは、ピクチャレスクの影響の中であばらやの「醜」の魅力の典型となったが、同時に産業革命やフランス革命を背景に、コテージをめぐる議論は労働者の住居の改善をも促していった。これらの影響の中で「ピクチャレスクな村とは何か」が議論され、理想の村の景観は、絵画的表層性や有用性・機能性のみならず、風景の内面つまりそこに住まう人々やその生活への視点を包摂しながら変容していった。
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