研究課題
基盤研究(C)
本研究は、新歴史主義的観点から、19世紀の作家ウォルター・スコットの歴史小説群『ウェイヴァリー叢書』とヴィクトリア時代ブリテンの知的・文化的関心との応答について考察した。特に、豪華版から廉価版まで各種エディションの出版の実態やその背景と思われる知的基盤、初等教育用の主要な教科書版でのスコット作品の提示方法やその趣旨、風景画集や逸話集など派生的出版物や派生現象が前景化するスコットの小説技法や歴史小説のジャンル的特徴を軸に分析し、19世紀における『叢書』の文化的役割や意義について検証を進めた。
英文学