フランス革命の自由、平等、友愛の理想に影響を受け、サミュエル・テイラー・コールリッジ、ウィリアム・ワーズワス、チャールズ・ラムなどロマン主義第一世代の若者たちは、友愛共同体の構築を目指したが革命同様挫折した。まず、その実態と意義を、書簡を含む作家たちの作品を精読し最新の研究を参照することによって明らかにした。その上で、友愛共同体を出て、印刷文化というより広い公共圏に身を投じ、作家としてそれぞれが自立した後、共同体の友愛精神がどのように受け継がれ変容し、その後も影響を与え続けたのかを、『エリア随筆』を『ロンドン雑誌』連載後書籍に纏め、印刷文化と最も関わりの深かったラムに焦点を合わせて検証した。
|