研究課題/領域番号 |
26370303
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
皆本 智美 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (20441107)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 英文学 / イギリス / 女性 / セレブリティ / スタール夫人 |
研究実績の概要 |
英国版「コリンナ」の1830年代以降の展開を追うために、2014年度はまず文献調査と資料収集から着手し、セレブリティについての基本概念に関する文献と、ジューズベリー姉妹の著作や研究文献を調査して分析した。 セレブリティに関する基本文献としては、Leo Braudy, The Frenzy of Renown や P. David Marshall, Celebrity and Power: Fame in Contemporary Culture 等を分析することによって、「英雄」や「名声」という概念が戦場における武勲等の男性的なものから文学等の両性的なものへと変化していく様相を整理した。 ジューズベリー姉妹に関する研究としては、Geraldine Jewsbury の小説 The Half Sisters (1848) に注目して分析を行い、その結果を論文『コリンナと「異母姉妹」 :ジェラルダイン・ジューズベリーの「異母姉妹」に関する一考察』にまとめた。その過程で、当時の「セレブリティ」や「名声」に関する概念を分析するにあたって「演劇」についての研究が必要不可欠であることが判明し、Sarah Siddons や Mary Robinson に関する文献を逐次参照しながら、18世紀から19世紀初期にかけての英国演劇と、演劇によって名声を獲得した俳優や、演劇と作家との関係についての研究文献についても分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究費用を用いながら、主に国内図書館等を利用して文献を収集し、調査にあたっているほか、2014年度夏期には英仏国内の図書館で必要文献を調査・収集し、分析を進めている。ほぼ当初の計画通りに研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおりに、ジューズベリー姉妹とブロンテ姉妹についての研究を中心に、英国における女性セレブリティの系譜について研究を進める予定である。 2014年度の研究を通じて、18世紀から19世紀にかけての女性セレブリティを分析するに当たり、小説のほか演劇というジャンルにも注目する必要があることが判明したので、予算範囲内で演劇についての文献も調査し、小説との関係についても考察している計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
応募時の各年度希望額と、各年度支給額が異なるため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降、2014年度中に入手できなかった研究文献の購入・調達とそれらを実行するための旅費に充当する。
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