今回の調査では①複数の写本および印刷本における言語的特徴の比較 ②印刷原稿見積もり用マークの比較 を行った。①に関しては、原本にはなかったいわゆる「キャクストン英語」が印刷の過程で洗練され、ある程度一貫性を持った形で印刷本に移行している事実が裏付けられた。また、編集者による付け加えや削除も極めて規則的に行われている部分があることが明らかになった。 ②はHM136写本とVat.lat.11441写本における印刷見積もり用マークを比較するという、これまで行われたことのなかった比較である。casting-off markのデジタル画像を用いて、両者のパターンの相違と相似を比較検討した。
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