研究課題/領域番号 |
26370329
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
権田 建二 成蹊大学, 文学部, 教授 (00407602)
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研究分担者 |
生駒 久美 大東文化大学, 文学部, 講師 (00715063)
堀 智弘 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (10634719)
杉本 裕代 東京都市大学, 共通教育部, 講師 (20581797) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アメリカ文学 / 人種 / 階級 / 白人性 |
研究実績の概要 |
昨年度は、研究者各自が資料の調査・収集を行うと同時に、これまでの各自の研究の成果等に関して活発に情報交換を行った。また、それらをまとめてこれまでの研究で明らかになった点を振り返り、今後の課題について議論した。 9月6日の研究会においては、研究協力者の吉田要による報告があった。詩人ディキンスンがディキンスン家で働いていた労働者たちをどのように書き表していたかを調査したこの発表をもとに、19世紀中葉の合衆国北部における貧乏白人及び移民の社会的地位社会的な地位についての議論が行われた。 9月22日の研究会においては、研究分担者の堀智弘による、slave narrative におけるアイルランド系移民を中心とした貧乏白人の表象という研究課題についての中間発表があった。アイルランド移民がアメリカ社会におかれた地位の変遷を理解することが、貧乏白人表象の分析に必要であることを確認した。 1月21日の研究会では、研究協力者花田愛による報告があった。20世紀初頭のジャック・ロンドンのエッセイやジョン・ドスパソスの小説における移動労働者ホーボーの表象を比較検討したこの発表によって、黒人の移動労働者が歴史的に不可視化されてきたことを確認した。 3月6日の研究会において、これまでの研究成果と振り返ると同時に、今後の課題を確認した。このため、2016年に出版された、Nancy Isenberg, <i>White Trash: The 400-Year Untold History of Class in America</i> を輪読した。これにより、貧乏白人は、合衆国の歴史を通して常に存在しているが、それが階級の表象として注目を浴びてこなかったことと同時に、そのような文化的な表象を研究することの意義が改めて確認できた。
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