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2014 年度 実施状況報告書

18世紀後半フランスの言語文化空間における読解性の構築

研究課題

研究課題/領域番号 26370359
研究機関九州大学

研究代表者

阿尾 安泰  九州大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (10202459)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード18世紀 / ルソー / ディドロ / 演劇 / 読解 / フランス / 言語文化空間
研究実績の概要

平成27年7月27日から31日にかけてロッテルダム(オランダ)で開催される第14回国際啓蒙学会での発表のための資料収集をおこなった。ジュネ-ヴ(スイス)の市立古文書館では、18世紀ジュネーヴに関する歴史的な資料の収集を行うととともに、古文書館員から研究上の情報も得ることができた。パリ(フランス)では、フランス国立図書館、アルスナル図書館で18世紀フランスに関する歴史資料を閲覧することができた。特にアルスナル図書館においては、貴重なバスチーユ古文書群の一部を複写することができた。
日本フランス語フランス文学会が広島大学において開催した、2014年秋季大会において10月26日に18世紀美学、18世紀演劇を専門とする2名の研究者とともに、「啓蒙と演劇」というタイトルでワークショップを行い、他の研究者との交流を図った。そして、このワークショップについては、2015 年3月発行された日本フランス語フランス文学会の研究情報誌cahier第15号に掲載された。
ルソーに関しては、科学的な著作である『化学教程』を読み進めるとともに、その著作と政治的な思索との関連を指摘する最近の研究も参照して、理解を深めてきている。さらにルソーにおける読解の構造を探るために、『対話』も読み進めている。ディドロに関しては、その幅広い活動範囲の中から美学的な作品群、特に絵画論の読解を進めている。それとともにディドロの絵画論に関して行われてきた研究の集積から大きな示唆を受けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海外における資料収集については、予想通りの成果をあげているし、ジュネーヴの市立古文書館では、新たな情報も入手することができた。
ワークショップも予定以上の規模で開催し、多くの貴重な意見を聞くことができ、今年の7月開催の国際学会での発表に向けて、適切な準備作業となった。
ルソーとディドロの作品の読解については、その難解さのために、予想以上の時間が取られているが、ルソーの『化学教程』を『百科全書』の記述と比べてみるなどの新たな視点も生まれて来ているので、綿密な読解を目指している。
以上の点から、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

2015年7月にロッテルダム(オランダ)で開催される第14回国際啓蒙学会でのシンポジウムにおいて発表を行い、海外の研究者からの貴重な指摘を受けることを目指す。
2015年秋に京都大学で開催予定の日本フランス語フランス文学会において、国際学会での発表をもとにワークショップを企画する。
ルソー、ディドロのテキストに加えて、18世紀の医学的なテキスト群の読解を目指す。そうした文書を19世紀以降の医学資料と比較しながら、その差異を明らかにし、18世紀の知の構造の特殊性の把握に努める。

次年度使用額が生じた理由

海外資料収集において、旅費が予想していたよりも、低い金額に押さえられたため。

次年度使用額の使用計画

物品費として使用、特に参考文献購入にあてる予定。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 啓蒙と演劇2015

    • 著者名/発表者名
      阿尾 安泰
    • 雑誌名

      cahier

      巻: 15 ページ: 30-33

  • [学会発表] 可視性から逃れて2014

    • 著者名/発表者名
      阿尾安泰
    • 学会等名
      日本フランス語フランス文学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2014-10-26
  • [備考] 18世紀医学関係文献を読むための人名データ

    • URL

      http://www.flc.kyushu-u.av.jp?~ao/18seiki/document/jinmei1.html

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公開日: 2016-05-27  

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