プルータルコスの作品は西洋古典の中でも特に世に広く親しまれ、学術上の重要性も高いにもかかわらず、国内の専門研究が殆ど進んでいなかった。本研究は哲学・史学・文学の3分野が緊密に連携する共同研究として、文献学的に精密な読解に基づきつつ同時代的背景と作品の連関の諸相を分析し、古典古代の中・長期的観点からその位置づけを再検討することで、作品の特質と意義を明らかにすることを目指した。各研究者による多彩な個別成果が雑誌論文・学会発表・図書の形で公表され、3分野共同の成果報告が日本西洋古典学会第66回大会および『西洋古典学研究』64号で行われた。加えてこれらを発展させた成果を含む図書の刊行準備が開始された。
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