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2016 年度 実績報告書

I.F.アルノルト作品のゴシック小説的特徴とドイツ・ロマン主義への影響

研究課題

研究課題/領域番号 26370394
研究機関中央大学

研究代表者

亀井 伸治  中央大学, 経済学部, 准教授 (10329039)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードドイツ文学 / イグナーツ・フェルディナント・アルノルト / 恐怖小説 / ゴシック小説 / 啓蒙主義 / ロマン主義 / 通俗文学
研究実績の概要

十八世紀末ドイツの著作家イグナーツ・フェルディナント・アルノルト Ignaz Ferdinand Arnold(1774-1812)は、ドイツにおける〈ゴシック小説〉というべき当時の人気ジャンル〈恐怖小説〉の人気作家として夥しい作品を書いた。彼の諸作には、合理と非合理がせめぎ合う時代の特質が端的に表出している。
研究の過程としては、まず、1801年のアルノルト作品『吸血鬼』との関連において、〈恐怖小説〉の主要な題材のひとつである〈吸血鬼〉のドイツ文学における展開の調査から始めた。その成果として、平成26年度に、ロマン主義文学への影響という観点から、このジャンルにおける重要作品 E. T. A. ホフマンの短篇「ヴァンピリスムス」(1821)を巡る論文を、岩波書店の隔月発行の学術雑誌『文学』2014年7/8月号)に寄稿した。
平成27年度には、アルノルトが 1800年に出版した怪奇的な二作品『血の染みのある肖像画』と『分身のいるウルスラ会修道女』を対象とする論考を執筆し、これを「1800年の幻想ミステリ」と題して、中央大学人文科学研究所による『人文研紀要』第82号に発表した(2015年10月30日発行)。また、同年7月には、二松学舎大学で開催の日本比較文学会東京支部例会において、アルノルトが、フリードリヒ・シラーの戯曲『群盗』(1781)を脚色して通俗小説化した 『モール伯爵家』(1802)と、実在した盗賊の告白という形式による犯罪実録小説『黒いヨーナス』(1805)を採り上げ、その特異な〈盗賊小説〉としての性格を、当時の社会的背景、刑法との関係、サド侯爵作品との比較などから考察した発表も行った。
最終年度である平成28年度には、上記発表の原稿を元に作成した論文「過激な盗賊たち」を、中央大学人文科学研究所の「人文研紀要」第83号(2016年9月30日発行)に寄稿した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 過激な盗賊たち ― イグナーツ・フェルディナント・アルノルトの盗賊小説2016

    • 著者名/発表者名
      亀井伸治
    • 雑誌名

      人文研紀要

      巻: 83 ページ: 279-312

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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