2018年1月11日、フライブルク大学において‘Nietzsches "Idyllen aus Messina". Wege zu einer neuen Lektuere’「ニーチェの『メッシーナの牧歌』―新しい読解の道筋」と題した講演を行った(主催:ハイデルベルク学術アカデミー「ニーチェ註解プロジェクト」)。これは主催者によって録画され、2018年10月にyoutube にアップされた(アドレス:https://www.youtube.com/watch?v=jDa8Adz4-V0)。『メッシーナの牧歌』は、テオ・マイヤーに代表される消極的評価にたいして近年「ニーチェ註解プロジェクト」のセバスティアン・カウフマンの批判的読解が試みられているが、本講演はそれをさらに推し進め、『メッシーナの牧歌』を「思想家・批評家ニーチェ」から「自由精神ニーチェ」への転換点にある詩作と位置づけ、関連する書簡などの詳細な読み直しを遂行したものであり、その録画は大きな反響を呼んでいる。 この講演原稿を基にした論文” Nietzsches Idyllen aus Messina: Zu einer neuen kritischen Lektuere”(ニーチェの『メッシーナの牧歌』-新たな批判的読解のために)が、「ニーチェ註解プロジェクト」の新しい企画”Nietzsche-Lektueren”(Walter de Greyter社刊行)の第3巻に掲載される。 フライブルク大学ニーチェ註解プロジェクトのリーダーであるアンドレアス・ウルス・ゾマー教授を2018年9月20日~10月11日までの期間について招聘し、今後同大学に設置されるニーチェ研究所(独立研究所)に本研究の成果を発展的に組み込む方法および組織化に関して協議した。
|