研究課題/領域番号 |
26370405
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
田村 容子 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (10434359)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 中国文学 / 中国演劇 |
研究実績の概要 |
本研究は、20世紀中国のプロパガンダ芸術について、ポスター・連環画(絵物語)・様板戯(革命模範劇)といったビジュアル・メディアに着目し、それらに共通して見られる「国民国家」像を多角的に分析するものである。平成26年度の主な研究実績は、以下の4点である。 1, 国会図書館関西館、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターにおいて国内資料調査を行った(2014年9月、2015年2月、3月)。2, 中国(上海)を訪問し、上海図書館・上海電影博物館における海外資料調査を行った(2015年3月)。3, 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターにおいて、年一回の研究発表を行った(2015年2月)。4, 収集した資料を用い、『連環画研究』において論考を執筆し、成果報告を行った(2015年2月)。 1の国内資料調査では、1950年代における連環画の閲覧・収集および中国とソ連のプロパガンダ芸術の交流の実態について新聞・雑誌記事の抽出を行った。2の海外資料調査では、中華民国時期の連環画・映画関連資料の閲覧・収集を行った。3の研究発表では、1950年代の中国とソ連の文化交流の実態とその変遷を、博覧会と連環画を中心に考察した。4の成果報告では、1950年代の連環画に見られるソ連の影響と「大躍進」政策の宣伝状況について分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、以下の活動を実施することができたため。 1, 国会図書館関西館における国内資料調査。2, 中国・上海図書館における海外資料調査。3, 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターにおける研究発表と意見交換。 これらの活動により、中国のプロパガンダ芸術における1950年代のソ連の「全体主義芸術」様式の影響について分析することができ、その受容の実態および変遷について明らかにするという新たな研究の視点を見いだすことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策は、以下の通りである。 1, 国会図書館関西館、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターにおける資料調査を継続して行う。 2, 中国におけるソ蓮のプロパガンダ芸術の受容に関する資料調査を行う。 3, 平成26年度調査成果にもとづき学術口頭発表、論文執筆を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
中国・上海図書館における資料調査を予定通り行ったが、当初の予定よりも日数を短縮したため。
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次年度使用額の使用計画 |
中国・上海図書館における資料調査および中国におけるソ蓮のプロパガンダ芸術の受容に関する資料調査を継続して行う。
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