本研究は白居易に関して、北宋・晁迥の『法蔵砕金録』が重要なテキストであることを解明した。要点を三つ挙げる。(1)本書が多数の白居易の詩文を引用し、高い評価を与えていること。(2)晁迥が白居易の詩に依拠した自身の詩(擬詩)を創作していること。(3)白居易の「以詩為仏事」という文学観は『維摩経』中の言葉に依っており、この語が晁迥に影響を与えたこと。また、白居易に関する一部の章の訳注を作成した。 北宋・陳舜兪の『廬山記』も多くの白居易詩文を収録する。そこで、陳舜兪の『廬山記』諸本を調査し、これに含まれる白居易詩文の意義を確認した。
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