研究課題
基盤研究(C)
晋宋期には、各地で美しい山水が発見され、多くの詩人が山水をテーマとした詩歌や散文を書いた。本研究では、主に荊楚地方の地志について考察し、次の二点を明らかにした。第一に、晋の羅含『湘中記』以降、山水の美とその神秘性が記述され始め、後の地志に大きな影響を与えた。美しい山水は、神境と見なされ、不思議な現象が起こる場所だと考えられた。第二に、地志の記録は、『異苑』『捜神後記』等の志怪小説集にも収録されているが、山水美よりも出来事の不思議さが強調され、次第に変容したさまがうかがえる。
中国文学