本研究は六朝楽府を主な研究対象とし、新たな言語表現が生み出されるメカニズムを明らかにすることを目的とした。研究成果の大部分は「六朝楽府訳注」「何遜詩訳注」の形で公表した。 これらの「訳注」の作成にはできるだけ詳細な【語釈】を付した。実はこの【語釈】は本研究の最も重要な成果である。それぞれの語の意味だけではなく、どのような歴史的背景を持つのかを可能な限り具体的に追跡して記述した。これら語誌的な記述を収集し整理することによって六朝楽府に現れる言語表現の一覧が出来上がるはずであり、今の段階では整理がまだまだ不充分ではあるが、おおよそ700語あまりの項目を立てられるだけの資料を収集できた。
|