研究課題/領域番号 |
26370417
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
稲畑 耕一郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30063803)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 傅増湘 / 中国古典学 / 伝記 / 詩文 / 民国 |
研究実績の概要 |
今年度当初から取り掛かったのは、これ以前に収集して手元においていた傅増湘の詩歌について整理をし、それに基づいて稿本を編纂することであった。この編纂作業は夏前にはほぼ完成し、その後はデータの修正と新たな資料の追加とに力を注いだ。またン夏には、傅増湘の旧跡や関連の地を訪ねて、四川・貴州などに調査旅行を行い、その旧宅とされる家などの確認をした。これに加え、国内外の図書館に出向いて、精力的に文献調査を行い、その過程ではこれまで知られていない新資料の発見もあった。その成果については、今年度後半に論文としてまとめ、国際シンポジウムの機会や専門誌に投稿して、掲載された。以下のものがそれである。
「傅増湘與内藤湖南――從新発見的信札進行考察」(北京大学中国古文献中心・復旦大学古籍整理研究所・早稲田大学中国古籍文化研究所共同主催「東亜古籍」国際シンポジウム予稿集)2014年12月、北京大学開催。 「傅増湘稀見序跋二篇探微――藏園文存之一」(『中国文学研究』第四十期、早稲田大学中国文学会)2014年12月。 「傅増湘と内藤湖南――新発見の書翰数通からの考察」(『早稲田大学文学研究科紀要』第六十輯)2015年2月。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初より精力的に調査に当たり、またとその成果についての公表を心がけてきたこともあって、ほぼ順調に進んできている。むしろ当初の計画以上の進展があったと評価している。その成果の一部の公表は「研究実績の概要」に記したとおりである。従って、目下のところ、特段の問題は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
まず『傅増湘詩集』の稿本をできるだけ早期に冊子にして、より多くの研究者に提供し、併せて意見の聴取を行いたい。またその文章についても、かなりの作品が集められているので、これを分析して、民国年間を代表する古典学者としての傅増湘の生涯の仕事を明らかする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月に予定していた国内の出張調査が勤務先の仕事と重なり、また会計処理の期限も迫っていたので、次年度に見送ることとしたことなどによる。これによる研究の進展に大きな問題はないと判断できた。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度に予定していた国内調査を27年度の早い時期に実施することとする。
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