傅増湘は民国を代表する古籍善本の大収蔵家として知られる。それらを駆使してなされた文献学、校勘学の成果は中国古典学のテキストを知るための確かな仕事として高く評価きている。その一方で、傅増湘がなぜ古典籍そうした分野に生涯をかけてのかについては、まったく触れられないままに来ている。 本研究ではその伝記研究と残された詩文の収集整理を中心として進め、それに基づいて傅増湘の学問の全貌を明らかにした。傅増湘生きたが百年前は、最後の王朝としての清朝が滅び、社会のすべてが伝統に見向きをしなくなった時代である。この時代に、伝統文明の砦としての古典籍の収集とその整理に邁進したのが傅増湘であったことを明らかにした。
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