最終年度前半は前年度に続き、2018年4月1日から6月30日、京都大学文学研究科内地研究員として、7月1日から9月20日、ライデン大学Institute for Area Studiesのvisiting fellowとして研修を行った。こうした環境の中で科研費による研究とそれに深く関わる諸分野の研究について研鑽に励んだ。5月31日から6月4日、国際比較神話学会(東北大学)に出席し、比較神話学の最新の成果を知るとともに問題点をも知ることとなった。京都大学人文科学研究所・藤井正人教授による毎月の定例研究会「ブラフマニズムとヒンドゥイズム」、幾つもの読書会に参加。この間、今回の科研費の最大の成果とも言える単著『七仙人の名乗り』の最終作業を行い、出版を果たした。 ライデン大学では、7月9日から20日、サマースクール(Languages and linguistics部)においてヴェーダ文献講読の稀有の機会を得た。7月27日から31日、ライデン大学・大英図書館等主催の学会、Asia beyond Boundariesに参加し、インド学とその周辺について広く新たな知見を得た。9月5日から7日、ライデン大学のピーター・ビショップ教授によるSkandapurana Seminarに参加し、インド神話の宝庫と言うべき文献の批判校訂作業を目の当たりにした。 最終年度後半は、これまでの研究活動を振り返り、次の研究課題をどう設定するか構想することが主な仕事となった。第1の専門(日本の説話・神話研究)と第2の専門(インドの説話・神話研究)をつなぐ比較研究を考え始めた。12月20日から25日、京都大学において、「ブラフマニズムとヒンドゥイズム」、インド思想史学会、京都大学の横地優子教授によるReconsidering the Early History of Yoga and Samkhyaに出席。
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