本研究では、「タチンジー(大歌謡)」と総称されるビルマ古典歌謡の伝承と創作の関係を明らかにした。報告者は研究期間中に現地調査を4回実施し、楽譜の収集と撮影、伝承の実態の記録と分析を行った。手書き楽譜を大量に残し、楽譜を用いた教授法も確立させた、著名な竪琴奏者である故ウー・ミィンマウンの手書き楽譜の調査撮影を実施し、合計約3200枚の楽譜画像を撮影した。それらのデータベース化と分析を行い、楽譜をジャンルごとに分類し、同一曲のバリエーションを整理した。書承と口承の組合せによって伝承が為される様とその方法について明らかにし、伝承の中で新たな創作が為されている様についても提示した。
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