ドキュメンタリー/記録映画を素材に、災害表象の変遷を辿ることにより、映像表現がいかに発展してきたのかを考察した。ドキュメンタリーに対する概念が問い直され、作り手の「主観」や被写体や作品に対する「倫理」の問題に対する意識について議論が高まる中で、新たな「災害」を「表象」するドキュメンタリー作品が今現在どのように生成されつつあり、過去の作品がどのように再評価されつつあるのかを吟味することにより、「メディア」、「ジャンル」の概念それ自体までをも再検討することができる。作り手による「主観」の問題、対象に対する表現者の「倫理」の問題、災害により顕在化する「都市・環境・テクノロジー」の問題にも目を向けた。
|