研究課題/領域番号 |
26370445
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
萬宮 健策 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (00403204)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 言語学 / スィンディー語 / 形態論 / ディアスポラ |
研究実績の概要 |
本研究では、民族アイデンティティの中核に位置づけられてきた母語の変化をスィンディー語を事例として調査することを目的としている。平成26年度は、夏にインド、春にノルウェーで現地調査を実施した。特に、用いられる文字についての聞き取り調査を実施し、パキスタンとは異なる環境で用いられているスィンディー語の状況がかなり明確になった。 具体的には、インドのマハーラーシュトラ州プネーに居住する複数のヒンドゥー教徒(母語はスィンディー語)へのインタビューを通じて、言語と文字の関係についての情報を得ることができた。一方で言語の使用実態については、ヒンディー語や英語の必要性があるため、家庭内言語と位置づけられるスィンディー語が、研究代表者が考えている以上に限定的にしか用いられない実態が明らかになり始めた。ノルウェーでの現地調査では、直接スィンディー語話者からの情報収集はできなかったものの、パキスタンからの移民を通しての言語使用状況につき、興味深い情報を得ることができた。この点については、2年目以降にフォローしつつ、本研究にフィードバックすることができればと考えている。 上記とは別に、これまでに蓄積してきた言語の一次資料についても、更新すべき点が明らかになったため、データのアップデートが必要となっている。この点については、2年目以降に継続して更新作業を実施する予定である。 今年度に実施予定であった、日本国内在住のスィンディーに対する聞き取り調査も、2年目以降に実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一次資料収集のための現地調査を実施することができた点および、本研究に関する補足的な情報を得ることができ、本研究からの広がりの可能性を見いだすことができた。資料整理等で若干達成できていない点はあるが、2年目以降で調整しつつ、並行して行うことができると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査の継続と、収集した資料の電子的整理をまず実施する。また、明らかになった点については、ウェブサイト上で公開するとともに、学会等での研究発表を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の現地調査における資料整理および現地での協力謝金支出が、雇用予定であった学生とのタイミングが合わなかったため、年度末の支出予定分が2年度目に繰り越された。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度末に実施予定であった、資料整理等の謝金として2年目に使用予定である。
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