京都で開催された日本言語学会に参加し、参加者、発表者との意見交換を実施した。現代インド・アーリヤ諸語を扱う研究者数名から、貴重なアドバイスをいただけた。 学内では、Luncheon Linguisticsで、『スィンディー語における名詞修飾の実際』というタイトルで発表を行い、参加者との質疑応答を行った。また、国立国語研究所が中心となっている名詞修飾をテーマとする研究会にも出席し、2018年度に出版される論文集にも、スィンディー語の名詞修飾に関する論文を寄稿することが決まった。 最終年度の期間中は、過去3年で収集できたデータ整理を中心に活動した。上記、名詞修飾をテーマとした研究会に出席したことから、現在も名詞修飾構造に関するデータ整理を実施した。その成果は、2018年度に発表予定の論集で公開予定である。 具体的には、たとえば、「昨日私の父が作ったお菓子」や「明日私たちが行く遊園地」などに代表される、文が名詞を修飾する構造を、どう表現するか、という点を中心にデータを整理し、スィンディー語において、名詞(句)を修飾する要素、修飾される場合の制限などにつき、現代インド・アーリヤ諸語に属するこの言語が、どのような特徴を有しているのかを、近隣の言語(ウルドゥー語、ヒンディー語)とも比較しながら、明らかにする。 上記以外では、名詞の文法性、用言修飾という項目を中心に、パキスタンとインドの方言差を考慮しつつデータ整理を実施した。こちらも研究発表、論文の形で成果公開の予定である。
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