本研究では、社会文化的な知の伝達手段である物語における問題解決パタン分析の定式化を試みた。理論面では、言語学及び心理学的特徴を持つ問題解決プロセスユニットを設定し、物語ユニットへのマッピングから一連の問題解決プロセスを物語の中で分析するための理論的枠組みを構築した。言語分析モデルには、テクスト分析に適した選択体系機能言語学理論を適用し、問題解決者の心理的能力の構成要因と関連付けながら、7つの分析過程からなる問題解決過程の分析プロセスの定式化モデルを提案した。また、文化的な考察と教育面での活用のための実証研究に向けた対象年齢別日英語ストリーコーパス(分析レベルタグ付)を構築した。
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