制約に基づく言語理論である Head-driven Phrase Structure Grammar(以下HPSG)の枠組みで、英語の名詞句の形態論と統語論、およびそのインターフェースに関する諸問題を扱った。冠詞、数詞、形容詞など、英語の名詞句内の要素の語順を決定するメカニズムや、これらの要素と名詞との間の数の一致の有無に特に焦点を当てた。HPSGは、語や句のもつ情報を十分に記述できるので、各要素間の統語的・形態的関係を明示的にできる。英語の名詞句の示す形態・統語的ないろいろな特殊性が、HPSGの枠組みでは一般性を損なうことなく説明できるということが明らかとなった。
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