研究課題/領域番号 |
26370470
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
藤本 雅子 早稲田大学, 人間科学学術院, 招聘研究員 (30392541)
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研究分担者 |
前川 喜久雄 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (20173693)
船津 誠也 県立広島大学, 公私立大学の部局等, 講師 (30275383)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 音声生成 / 調音運動 / 促音 |
研究実績の概要 |
MRIやEMA,WAVEの調音音声学的な手法を用いて日本語の母音,子音に関する研究を行い,18th International Congress of Phonetic Sciences (ICPhS)やWorkshop on Geminate Consonants across the World (Gem Con 2015)の国際学会,音響学会において発表を行った。 日本語本土方言に関しては,促音が非促音に比べ舌の拳上のタイミングが遅れる傾向があり,調音的差異があることが示された。 南琉球の宮古島の池間方言では,有声の促音において子音区間中の声帯振動が持続しており,東京方言とは異なる特徴があること,またそれを可能にするために咽頭を拡大するという特徴的な調音を行っていることが確認できた。 さらに九州の熊本,柳川方言の音声を収録し,分析を行っている。これらを比較することで促音の調音に関する方言的特徴や差異の有無の検討が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経鼻ファイバースコープを用いた喉頭のハイスピード撮影実験を予定していたが,被験者の候補がみつからなかったため今年度は行えなかった。それに代えて,MRIを用いた最新の手法であるリアルタイムMRIによる南琉球方言の撮像と分析を行った。これにより従来のMRI同期撮像法では困難であった高齢の話者の調音データを採取することができた。分析も進めており,一部はすでに国内外の学会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
促音の調音に関する特徴が明らかになりつつあることを踏まえ,日本語本土方言については被験者数を増やし定量的な検討を進める。有声促音や語頭促音など,琉球方言や九州方言の一部に特徴的な促音については,その調音特徴の定性的な検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
フランス,パリ大学でのePGGを用いた声門図採取実験は,機材の調整と日程調整がおりあわず実施できなかった。またその資料の分析のために補助者に支払う謝金の使用もなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
フランス,パリ大学のePGG実験の計画が立てにくいため,代わりにアメリカ,カリフォルニア大学のバークレー校にて呼気圧と流量測定実験を行うべく計画している。
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