研究実績の概要 |
本研究は、研究代表者がこれまで行ってきたマンデビ語の記述研究を発展的に継続し、マンデビ語と系統関係を有すると推定されるブムタン諸語の記述・下位分類を行うものである。本年度は、関連文献の収集及び現地調査を中心に行った。関連文献については、日本邦文・欧文を問わず歴史的関係、人類学関連の文献については収集を行った。現地調査に関しては、ブータン王国において話されるブムタン諸言語について、現地調査を中心とした資料収集を行い、記述言語学的研究を進めた。ブータン渡航時にはゾンカ語開発委員会などブータン国内の関係部署への訪問を行った。現地調査は2014年12月から2015年1月にかけて、ブータン王国トンサ県・ワンディポジャン県及びシェムガン県においておこなった。具体的には、ケン語、ブムタン語の音声及び語彙資料を収集した。これまで代表者による研究の蓄積のあるマンデビ語ツァンカ方言については動詞の統語的振る舞い等の文法調査や自然発話の音声資料を収集した。 研究成果は、論文としては、「ブータンの言語調査について」『秋田県高等学校教育研究会国語部会研究紀要』、「ブロカット語の音韻体系 : ブータン王国ブムタン県ドゥル村言語調査初歩報告』『アルテスリベラレス』、「ブータンにおける少数言語研究の意義」『DRUK』として発表した。また、学会発表としては、「マンデビ語・ブムタン語及びブロカット語における音韻体系の年代差」第4回日本ブータン研究会, 2014年5月11日, 早稲田大学.「ブータン諸語の証拠性について」第17回ブータン勉強会, 2014年6月14日, 岩手大学.「ブムタン県ドゥル村の遊牧民―言語特徴とその背景―」 日本南アジア学会第27回全国大会, 2014年9月28日, 大東文化大学.として発表した。
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