研究実績の概要 |
本研究は、研究代表者がこれまで行ってきたマンデビ語(Mangdebikha : シナ=チベット語族、チベット=ビルマ語派、ヒマラヤ語支、チベット=キナウリ語群、東チベット諸語、Nyenkha、Henkha、Lap、Mangsdekhaとも称される)と系統関係にあるEast-Bodish諸語の系統関係を解明することにある。 本課題の最終年度である今年度も昨年度に引き続き、現地調査及びそこで得られた一次資料の整理及び公開に力を注いだ。研究代表者は 2017年9月にブータン王国トンサ県において当該言語の基礎語彙及び文法調査を行った。本調査では, ブータン王国ワンディポジャン(Wangdue Phodrang)県及びトンサ(Trongsa)県に分布しているオレカ語(’Olekha, ’Olakha, Black Mountain Monpaとも称される)についての音声・音韻・形態を中心に調査をした。当該言語は外国人研究者によりBlack Mountain Monpaと称されてきた。而るに研究代表者の調査により, この言語の母語話者は自身の言語を’Olekha乃至は’Olakha と呼んでいることが確認された。この言語に関しては、世界的にみてもいまだ研究の進んでいないものであるため、一時データを収集できたことは大変貴重な経験であった。この言語の基礎語彙、特に動植物名等を詳細に分析し、言語人類学的研究の基礎を築くことができた。 また、これまでの調査で蓄積されたブムタン諸語の語彙データの入力を終了し、言語系統の分析の基礎的データが整備された。この初歩的結果を歴史言語学会で発表した。
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