本研究では、短期留学プログラムを経て英語圏の大学に一年間交換留学をした学生を対象に縦断的な調査を行い、第二言語学術リテラシーと異文化能力の発達過程およびアイデンティティ変容過程を考察した。また、交換留学から帰国後の学術能力の向上や就職活動への取り組み、そして就職後の社会適応に関する追跡調査を行った。その結果、他者とのアイデンティティ交渉に取り組みつつ英語・母語リテラシーと異文化能力を高めていくことで、異文化接触現象を批判的に考察し肯定的に受け入れる能力を身につけていくことが判明し、このような異文化接触の管理が社会的場面でのリテラシー適用やアイデンティティ形成の促進にも繋がることが示された。
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