研究課題/領域番号 |
26370483
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤村 逸子 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (50229035)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | フランス語 / 日本語 / コーパス / 名詞 / 形容詞 |
研究実績の概要 |
コーパスサーバの準備はほぼ修了した。コーパスサーバ本体は既存のものを使うことにし、必要なツールをインストールし、追加すべきコーパスの購入を行った。フランス語の形態素解析に関してはこれまで使ってきたTreeTaggerではなくCordialを導入する方法を検討中である。フランスのLyon高等師範学校で開発中のTXMという名前のツールについても検討中である。フランス語のコーパス全般について、ELRAを訪れて情報を収集した。 統計指標については、すでに開発済みのLog-rに関する研究発表の申込を国際学会に行い、結果を待っている。これらのデータやツールを用いて、フランス語については使役構文における前置詞の使い方に関する研究発表を行った。日本語については「甘い」のネガティブな意味の原因をフランス語のsucréと比較する形で研究して、論文を発表した。フランス語と日本語の人間を表す名詞に関する研究は続行中である。ある人間(留学生)についてかたる場合に「留学生」と言うのか「留学生の人」と言うのかについて、話し言葉コーパスをもとに名詞のみによって指示する場合と支えとなる一般名詞を修飾する場合とでポライトネスの度合いが異なると思われるので、文脈を精査し、計量的に考察する研究発表をフランスのストラスブールの研究チームとともに行った。 さらに、通時的な観点から、言語変化には意味以外の種々の要因が関わるという問題を明らかにする研究を指導学生とともに行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本語とフランス語の名詞と形容詞を総合的に研究するという部分がやや遅れている。選択に手間取っているのが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
今年は研究協力者のストラスブール大学Schnedecker教授を招き、特に人間を表す名詞と形容詞に関して日仏語の総括的な比較ができるよう準備を行う。フランス語の形態素解析の方法に関してさらに検討する。 フランス語の話し言葉コーパスを整備する。 昨年度行った研究を国内および国際学会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コーパスサーバは既存のものがまだ使えることがわかったので購入せず、物品費の支出が少なかった。また、海外出張旅費を計上していたが、他の経費によってまかなうことができた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究協力者のSchenedecker教授を日本に招聘して、名古屋大学で共同して研究をすすめる。招聘のための海外旅費として使用する。また同時に、東京、大阪の研究者との意見交換を行うための国内旅費として使用する。
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