研究実績の概要 |
本研究は、現代日本語の条件表現における連続性のメカニズムを、語用論の枠組みと韓国語との対照研究という二つのアプローチから解明しようとするものである。日韓の条件表現における語用論的連続性を体系化するという研究目的を達成するため、順次、仮定的条件と前提的条件の連続性、前提的条件と主題の連続性、仮定的条件と継起の連続性、継起と理由表現の連続性、日本語の「ト」と韓国語の対照、韓国語の「eoya」と日本語の対照といった各テーマを取り上げた個別研究を段階的に行うことが目標である。 平成29年度は延長年度に当たる。本研究は、当初3年計画だったが、3年間の研究成果をまとめ出版することになり、編集や校正などにかかる時間を考慮し1年の延長を申請している。研究期間中の研究成果をまとめた書籍は、ひつじ研究叢書(言語編)第150巻『現代日本語と韓国語における条件表現の対照研究―語用論的連続性を中心に―』(平成30年3月14日、ひつじ書房、A5判上製函入 208頁 定価6,500円+税 ISBN 978-4-89476-876-5)というタイトルで出版されている。本書籍は、次のような構成になっている。 第1章 予測条件と前提条件の連続性、第2章 前提条件と主題の連続性、第3章 予測条件と継起の連続性、第4章 継起と理由の連続性、第5章 日本語の「ト」について、第6章 韓国語の「eoya」について、第7章 譲歩条件の「逆説性」について、第8章 条件の「テハ」と「eoseoneun」、第9章 結論 各章は、基本的に3年間発表した8回にわたる個別研究に基づいているが、発表後の大幅な修正や発展が反映されたものになっている。結論では、各章のまとめと展望を述べた。
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