研究課題
平成26年度は多国籍アングロフォンコミュニティ内における言語変化を調査するため、まず「義務を表す動詞表現」の分析に着手した。言語コーパス(実時間調査によって得られた英語母語話者の自然談話録音データ)より、「義務を表す動詞表現」の分析対象使用例を抽出し、言語内的要因や被験者の社会的属性・社会的ネットワークをコード化したものとともに、統計ソフトのデータファイルに入力する作業を行った。統計用ソフトSPSSのペアサンプルのT検定、ピアソン相関係数、重回帰分析等の統計分析により、①各話者の英語の文法的なバリエーションと起こりつつある言語変化、②国籍別グループの「義務を表す動詞表現」のバリエーションと変化の傾向、③言語変化と社会的ネットワークの関係、④言語変化と言語内的要因との関係等を明らかにした。26年度に得られた研究成果は海外共同研究者とともにThe International Society for the Linguistics of English 2014 (2014年8月スイス・チューリッヒ)にて報告した。
2: おおむね順調に進展している
研究計画予定通り、26年度は「義務を表わす動詞表現」について社会的ネットワークと言語内的要因の観点からの分析を行い研究結果を報告した。
平成27年度は「所有を表す動詞表現」に焦点を当てデータ入力と分析を行う。平成28年度までに日本の多国籍アングロフォンコミュニティ内で起きている文法上の言語的バリエーションと変化のメカニズムを解き明かし、より複雑でモビリティ性の高いコミュニティの言語行動に応用できる社会的ネットワークモデルを構築する予定である。
旅費の申請手続きに一部不備のあることが年度末に判明し差額が残金となった。
残金は次年度の旅費に充てる。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Online Publication of the 19th International Congress of Linguists, 2013
巻: - ページ: ページ番号なし
In Heli Paulasto, Lea Meriläinen, Helka Riionheimo and Maria Kok (eds.), Language contacts at the crossroads of disciplines. Newcastle upon Tyne: Cambridge Scholars Publishing.
巻: - ページ: 215-250