研究課題
引き続きフランス語圏アフリカ諸国におけるアフリカ諸言語の状況に関する文献および各種情報を収集するとともに、昨年度より取りかかったセネガルのウォロフ語現代文学の状況についての資料収集と研究をセネガルの研究協力者と連絡を取りつつ進めた。2018年8月にはセネガルにおける調査を行い、Aram Fall Diop氏(元シェク=アンタ・ジョップ・ダカール大学黒アフリカ基礎研究所教授)が主宰する開発NGOセネガル開発支援機構(OSAD)によるウォロフ語出版物を入手するとともに、研究協力者Mamadou Cisse氏(シェク=アンタ・ジョップ・ダカール大学教授)と最初のウォロフ語小説とされる『Aawo bi(第一夫人)』についての意見交換を行い、とくにこの作品で用いられているカヨール方言および作者の特異な語法および表記について検討した。『Aawo bi(第一夫人)』については、研究成果の一部を論文として発表する予定である。また、 2019年3月には、パリ国立図書館およびINALCO(国立東洋言語文明研究所)においてウォロフ語をはじめとするアフリカ諸言語に関する文献を閲覧した。Web上のアフリカ諸言語の使用については、フランス語圏アフリカ諸国の主要言語では、ウォロフ語以外の言語については十分な情報は得られていない。各言語の書記言語としての使用状況を判断する一つの指標として各言語wikipediaの活動状況を見ると、1000を超える項目数を持ち1万人を超えるユーザーを持つ言語はウォロフ語のみであり、独立当初は書記化と識字活動についてもっとも先進的であったマリの主要言語バマナカン語(バンバラ語)でさえ、項目数は650あまりにすぎない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Journal of the Faculty of Letters, Prefectual University of Kumamoto
巻: Vol.25 No.78 ページ: 27-44
Jounal of the Graduate School of Language and Literature, Prefectual University of Kumamoto
巻: No.11 ページ: 141-161)